がんは、今や日本人の3人のうち2人がかかるとも言われている病気です。「あなたはがんです」と告げられた瞬間、頭が真っ白になった――そんな経験をした方は少なくありません。私もパートナーががんになったと告げられた時、そして自分もがんにかかったことがわかった時、とても動揺して何も考えられず、その後しばらくして将来への不安、家族への思い、仕事や生活のことなどたくさんのことがよぎり不安で押しつぶされそうになりました…。本記事では、がんの告知を受けたばかりの方に向けて、気持ちを落ち着かせ、冷静にこれからを考えるための対処法を5つ紹介します。読むことで「何から始めればよいか」が明確になり、少しでも心の整理ができるようになってくだされば幸いです。

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目次

告知直後の気持ちの整理法

情報の集め方と信頼できる情報源

家族・職場への伝え方のコツ

治療方針を考えるための第一歩

必要なサポートを受けるには?

まとめ:一人で抱え込まないことが最優先

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告知直後の気持ちの整理法

「どうして自分が…」という思考への向き合い方

がん告知後に感じる強いショックは自然な反応であり、無理に抑え込む必要はありません。感情を否定することは、むしろ不安を深める原因になります。多くの患者が初期に「混乱」「否認」「怒り」「恐怖」といった段階を経験すると言われており(「がんショック」と呼ばれています)、心のケアも治療においてとても重要です。感情を抱くこと自体が正常な反応です。私自身、ふと気づいたら涙が出たり、怒りっぽくなったり、、、振り返ると告知後の数ヶ月は混乱していました。大きなショックを受けるのは通常の反応であり多くの方も同じであるという事を認識し、一方で自分の感情を押し殺さず声を出して泣いたり、信頼出来る方に話を聞いてもらったりして外にも発散しながら落ち着くまで過ごすことも効果的です。

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情報の集め方と信頼できる情報源

インターネット情報の選別方法

自身のがんについて正確な最新の情報を収集することは大切ですが、誤った情報には注意が必要です。がんに関するネット情報の中には、根拠のない民間療法や不安をあおる内容も多数あります。国立がん研究センターの「がん情報サービス」や、厚生労働省のがん対策推進サイトなど、公的機関のサイトをフルに活用しましょう。信頼性のある情報を元に行動することで、無用な不安を避けられます。

参考リンク

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家族・職場への伝え方

「伝える」タイミングと方法のポイント

少し落ち着いて状況を整理できるようになってきたら、周囲の人へどう伝えるかに頭を悩ませることになります。その際は、すべてを一度に伝えようとせず、段階的に共有することが大切です。伝える側も、受け止める側も混乱することが多いためです。例えば、同居の家族であれば検査の後の診察で一緒に医師の説明を聞いてもらう形で伝えると、理解が得やすくなります。また遠方に住んでいる家族や職場には、検査が進んでステージや治療方針などがある程度みえてきたタイミングで伝えるとスムーズです。家族や職場に最初に伝えるときは不安かもしれませんが、適切なタイミングで伝えることでその後の治療プロセスに向けて絆を深めたり信頼関係を高めることにも繋がります。

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治療方針を考えるための第一歩

セカンドオピニオンの活用法

治療方針を納得のいく形で決めるには、セカンドオピニオンを取るのがおすすめです。医師によって治療方針が異なることもあり、患者自身が納得することが長期治療には不可欠です。現在では、ほとんどのがん治療が担当医を含むチームで対応する体制になっていますが、各病院での医師のチーム体制により重点的に取り組んでいるがんの種類や症例数が異なるため、セカンドオピニオンを取ることでより良い治療を受ける機会を探ることが出来ます。実際、私のパートナーも私も、受診していない複数の病院からセカンドオピニオンをいただきましたが、いずれの場合も主治医はセカンドオピニオンのため他院を受診することを快く了承され紹介状もすぐに準備してくださいました。がん拠点病院ではセカンドオピニオン外来を設けており、紹介状があれば誰でも受けられます。不安を一人で抱え込まず、複数の視点をもとに判断しましょう。

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必要なサポートを受けるには?

医療費、生活支援、心のケア

行政や病院には、がん患者向けの支援制度が多くあります。私は、経済的不安や生活の変化を支える制度をよく調べず十分な支援を受けられなかったことがあり、後からとても後悔しました。支援情報は患者側から積極的に集める必要があります。高額療養費制度、傷病手当金、がん相談支援センター、精神的支援を行うカウンセラーの存在など、主体的に探せば様々な制度が充実してます。がん患者への支援をフル活用することで、少しでも治療や闘病生活を前向きに進めていただきたいです。

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まとめ:一人で抱え込まないことが最優先

がんの告知を受けたとき、誰もが大きな不安とショックを感じます。しかし、今できることを一つずつ整理していけば、確実に前に進めます。本記事で紹介した5つの対処法は、その第一歩です。何よりも大切なのは「一人で抱え込まないこと」。まずは信頼できる医療従事者(担当の主治医に限らず、看護師の方、セカンドオピニオンの相談先なども含みます)や相談窓口に声をかけてみてください。正確な情報に基づき、適切に対応することで、治療成績が向上し治癒する可能性を高めることが出来ます。がんの告知は誰もがとても大きなショックを受けます(私も大きな衝撃を受けて打ちのめされました、、、)が、このブログの情報で少しでも冷静さを取り戻し前向きに考えられるための一助になればと切に祈っています。