はじめに
「膀胱がんってどんな病気?」「初期症状にはどんなものがあるの?」「治療法はつらいの?」
このような疑問や不安をお持ちの方に向けて、この記事では膀胱がんの基礎知識から症状・原因・治療法までをやさしく解説します。
専門的な言葉はなるべく使わずに、わかりやすく丁寧な表現を心がけています。
「膀胱がん 初期症状」「膀胱がん 原因」「膀胱がん 治療法」などで検索されている方は、ぜひ参考にしてください。
膀胱がんとは?
膀胱がんは、尿をためる臓器「膀胱」の内側にある粘膜(尿路上皮)にがんができる病気です。
特に50歳以上の男性に多く、日本でも年間2万人以上が膀胱がんと診断されています。
がんがどのくらい膀胱の壁に入り込んでいるかによって、大きく以下の2つに分類されます。
- 表在性膀胱がん:膀胱の浅い層にとどまっている(約7〜8割がこのタイプ)
- 筋層浸潤性膀胱がん:がんが深く入り込み、転移リスクが高い
早期に発見すれば治療もしやすくなるため、初期症状に気づくことが大切です。
主な症状(膀胱がん 初期症状)
膀胱がんの初期には、以下のような症状が見られます。
主な初期症状:
- 血尿(尿に血が混じる)
- 肉眼で見える場合もあれば、検査でしかわからないこともあります。
- 頻尿(トイレが近い)
- 排尿時の痛みや違和感
- 尿が出にくい、残尿感
特に「痛みのない血尿」が典型的な初期症状です。
一度治まっても再び現れる場合があるため、見過ごさず泌尿器科を受診しましょう。
原因・リスク因子(膀胱がん 原因)
膀胱がんの発症には、生活習慣や環境、体質が関係していると考えられています。
主なリスク因子:
リスク因子 | 解説 |
---|---|
喫煙 | 最も強いリスク因子。たばこの化学物質が尿に排出され、膀胱粘膜に影響を与える |
職業性曝露 | ゴム工場・染料・金属加工などで使われる化学物質(アニリン系など)に長期間さらされる |
慢性膀胱炎 | 膀胱への炎症が長期間続くと、がん化のリスクが高まる |
放射線治療や抗がん剤の影響 | 特にシクロホスファミドなどの薬剤使用歴がある場合 |
家族歴 | 膀胱がんの家族がいる場合、わずかにリスクが上昇することも |
禁煙や職場での防護対策、定期的な尿検査などで、予防や早期発見につなげることが可能です。
治療法(膀胱がん 治療法と副作用)
膀胱がんの治療は、がんの進行度(表在性か筋層浸潤性か)によって大きく異なります。
1. 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)
細い器具を尿道から挿入して、膀胱内のがんを切除する方法です。表在性膀胱がんの標準治療です。
- 特徴:身体への負担が少ない
- 副作用:再発のリスクがあるため、定期的な内視鏡検査が必要
2. 膀胱内注入療法(BCG療法など)
TURBT後に、膀胱内に薬剤を注入して再発を防ぎます。
- 特徴:膀胱内で直接作用し、がん細胞の再発を抑制
- 副作用:頻尿、排尿時痛、軽度の発熱など
3. 膀胱全摘除術+尿路変更術
筋層にがんが達している場合、膀胱を摘出し、尿の出口を別に作る手術が行われます。
- 特徴:根治的な治療法
- 副作用:術後の生活スタイルが変化(ストーマ管理、代用膀胱など)
4. 化学療法・免疫療法
進行がんや転移がある場合、全身への治療として行われます。
近年は免疫チェックポイント阻害薬も使われるようになっています。
- 副作用:吐き気、倦怠感、脱毛、免疫による自己反応(免疫療法)
まとめ
膀胱がんは、早期発見・早期治療が非常に重要ながんです。
「血尿」や「排尿の違和感」がある場合には、迷わず泌尿器科を受診しましょう。
記事のポイント
- 膀胱がんは膀胱の内側の粘膜から発生するがん
- 初期症状は無痛性の血尿が多い
- 喫煙が最大のリスク因子
- 表在性ならTURBT、進行がんには手術や化学療法、免疫療法などの治療法がある
膀胱がんは早期に見つかれば再発しやすくても対応しやすいがんです。
日常生活の中で、尿の異変に気づくことが早期発見への第一歩です。