はじめに

「頭頸部がん」と聞いて、少し聞き慣れないと感じる方も多いかもしれません。しかし、このがんは決して珍しいものではなく、のどや口、鼻、耳の周辺など、日常生活に大きく関わる部位に発生するため、早期発見と正しい理解がとても重要です。

本記事では、「頭頸部がん 初期症状」「頭頸部がん 原因」「頭頸部がん 治療法」といった関心の高いポイントについて、医療知識が少ない方にもわかりやすく丁寧に解説していきます。

頭頸部がんとは?

頭頸部がん(とうけいぶがん)とは、頭部から首にかけての領域にできるがんの総称です。具体的には、以下の部位に発生します:

  • 口腔(舌、歯ぐき、頬の内側など)
  • 咽頭(のど、扁桃など)
  • 喉頭(声帯や喉仏の周辺)
  • 鼻・副鼻腔
  • 唾液腺
  • 甲状腺(場合による)

これらの部位に発生するがんは、それぞれ特徴や治療法が異なりますが、共通して飲食や会話、呼吸など、生活の質に直結する機能を持つ場所にできるため、治療による影響も大きくなりがちです。

主な症状

頭頸部がんの初期症状は、風邪や口内炎などと似ているため、見逃されやすいのが特徴です。以下のような症状が長引く場合は注意が必要です。

  • 声がかれる、かすれる(特に2週間以上続く場合)
  • のどの痛みや違和感、飲み込みづらさ
  • 舌や口内のしこり、ただれが治らない
  • 鼻づまりや鼻血が長引く
  • 耳の痛みや聞こえにくさ(特に片側だけ)
  • 首のリンパ節の腫れ
  • 原因不明の体重減少や倦怠感

気になる症状が続く場合は、「ただの風邪かな」と思わず、早めに耳鼻咽喉科や口腔外科を受診することが大切です。

原因・リスク因子

頭頸部がんの原因としては、以下のような生活習慣やウイルス感染が大きく関係していることが分かっています。

  • 喫煙:最も大きなリスク因子のひとつ
  • 過度の飲酒:特に喫煙との併用でリスクが倍増
  • ヒトパピローマウイルス(HPV)感染:近年、口腔や咽頭がんの原因として注目
  • EBウイルス感染:鼻咽頭がんとの関連が知られる
  • 職業性曝露:アスベストや木粉などに長期曝露される仕事
  • 慢性的な炎症や刺激:虫歯の放置や合わない入れ歯など

生活習慣の見直しと、HPVワクチンなどの予防対策が、リスク軽減につながります。

治療法(特徴と副作用)

頭頸部がんの治療法は、がんの部位、進行度、患者さんの希望や生活背景によって異なります。以下に代表的な治療法を紹介します。

1. 手術療法

がんのある部位を直接切除する方法。機能温存を考慮しながら行われます。

  • 特徴:局所的に根治が期待できる
  • 副作用:発声や嚥下、見た目に影響することもある

2. 放射線治療

高エネルギーの放射線でがん細胞を破壊します。手術と同等の効果を持つこともあります。

  • 特徴:声や臓器を残すことができるケースも多い
  • 副作用:口内炎、皮膚のただれ、味覚障害、ドライマウスなど

3. 化学療法(抗がん剤)

点滴や飲み薬で全身に抗がん剤を巡らせ、がんを攻撃します。単独または放射線との併用も行われます。

  • 特徴:進行がんや再発がんに用いられることが多い
  • 副作用:吐き気、脱毛、白血球減少、倦怠感など

4. 免疫チェックポイント阻害薬

がん細胞に対する免疫の働きを強める新しい治療法。進行がんにも効果が期待されます。

  • 特徴:他の治療で効果が出にくいがんに適応
  • 副作用:自己免疫反応による副作用(皮膚炎、腸炎、甲状腺機能異常など)

治療の選択には、患者さんの「話す・食べる・見た目」などの機能や生活の質も深く関わるため、医師や看護師、言語聴覚士など多職種チームでのサポートが欠かせません。

まとめ

頭頸部がんは、日常生活の質に影響しやすい部位にできるがんだからこそ、早期発見と専門的な対応が鍵となります。「頭頸部がん 初期症状」や「頭頸部がん 原因」「頭頸部がん 治療法」について理解し、気になる症状がある場合は早めの受診を心がけましょう。

正しい知識と行動が、あなたや大切な人の命と生活を守ります。