はじめに
血液がんという言葉を聞いたことはありますか?
「どんな病気なの?」「他のがんと何が違うの?」「初期症状はあるの?」と疑問に思っている方も多いかもしれません。
血液がんは、体を守る働きをする血液の細胞ががん化する病気で、いくつかの種類があります。この記事では、医療知識のない方にもわかりやすく、血液がんの種類や特徴、初期症状、原因、治療法についてやさしく解説します。
血液がんとは?
血液がんとは、血液や骨髄、リンパ組織の細胞にできるがんの総称です。
一般的に以下の3つのタイプに分類されます。
1. 白血病
骨髄で作られる白血球ががん化し、正常な血液細胞が作れなくなる病気。
「急性」と「慢性」に分けられます。
2. 悪性リンパ腫
リンパ球ががん化し、リンパ節や全身の臓器に広がる病気。
「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」に分類されます。
3. 多発性骨髄腫
骨髄の中で異常な形質細胞(免疫細胞の一種)が増殖する病気。
骨や腎臓に影響を与えることがあります。
血液がんは、固まり(しこり)として現れないことが多いため、早期発見が難しい場合もあります。
主な症状
■ 血液がん 初期症状
血液がんの症状は、がんの種類や進行度によって異なりますが、共通して以下のような症状がみられることがあります。
- 発熱が続く(原因不明の微熱)
- 倦怠感(だるさ)
- 貧血(息切れ、顔色が悪い)
- 青あざや出血が起こりやすくなる
- 首やわきの下のリンパ節の腫れ
- 骨の痛み
- 体重減少
- 感染症にかかりやすくなる
これらの症状は風邪や他の病気とも似ているため、長く続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
原因・リスク因子
血液がんの明確な原因はまだわかっていませんが、以下のようなリスク因子が報告されています。
■ 血液がん 原因とされる可能性のある要素
- 放射線や化学物質への暴露(例:ベンゼン)
- 免疫機能の異常
- ウイルス感染(HTLV-1、EBウイルスなど)
- 高齢(60歳以上での発症が多い)
- 遺伝的要因・家族歴
- 抗がん剤や放射線治療の既往歴
ただし、多くの人は明確な原因がなく発症するため、「誰にでも起こり得る病気」であることを理解しておくことが大切です。
治療法(特徴と副作用)
血液がんの治療は、がんの種類や進行度、年齢や体力などに応じて選択されます。主な治療法は以下のとおりです。
1. 化学療法(抗がん剤)
血液がん治療の中心となる治療法です。複数の薬剤を組み合わせて使用し、がん細胞を攻撃します。
- 【副作用】:吐き気、脱毛、免疫力低下、感染症、倦怠感 など
2. 分子標的薬・免疫療法
がん細胞に特異的に働く薬(分子標的薬)や、免疫の力を活性化させる治療(免疫チェックポイント阻害薬など)が使われることもあります。
- 【副作用】:発熱、皮膚の発疹、下痢、甲状腺機能の異常など
3. 放射線治療
悪性リンパ腫で局所の病変がある場合などに用いられます。
- 【副作用】:照射部位によって異なりますが、皮膚炎や倦怠感などが起こることがあります。
4. 造血幹細胞移植(骨髄移植)
再発や難治性の血液がんに対して行われる高度な治療です。正常な造血機能を回復させる目的で、自分または他人の幹細胞を移植します。
- 【副作用】:拒絶反応(GVHD)、感染症のリスク、強力な前処置による臓器障害
治療は数ヶ月から数年に及ぶこともあり、医師や医療チームとの連携が重要になります。
まとめ
血液がんは「目に見える腫瘍」ができにくく、症状もわかりにくいため、早期発見が難しいがんのひとつです。しかし、治療法は年々進歩しており、寛解や長期生存が可能なケースも増えています。
最後に大切なポイントを振り返りましょう。
- 血液がんは「白血病」「悪性リンパ腫」「多発性骨髄腫」などに分類される
- 初期症状は倦怠感・発熱・リンパ節の腫れなど、風邪と似ていることもある
- 明確な原因はわかっていないが、化学物質やウイルス感染が関係することも
- 治療は化学療法・免疫療法・幹細胞移植など多岐にわたる
「血液がん 初期症状」「血液がん 原因」「血液がん 治療法」について理解することで、早期対応や心の準備がしやすくなります。