はじめに
胃がんは、日本人に多くみられるがんのひとつで、特に中高年の男性に多く発症します。ただし、早期に見つかれば完治も可能な病気です。
この記事では、「胃がんってどんな病気?」「どんな初期症状があるの?」「どうしてなるの?」「治療は大変?」という疑問に対し、医療知識が少ない方でもわかりやすく、丁寧に安心感を持って読めるようにまとめました。
胃がんとは?
胃がんは、胃の内側(粘膜)にできる悪性腫瘍(がん)です。日本では長らく死亡原因の上位にありましたが、近年は検診の普及や治療の進歩により、早期発見・早期治療が可能になっています。
胃がんにはいくつかのタイプがあり、**腺がん(せんがん)**というタイプが最も多くを占めます。進行すると、胃の壁を越えて周囲の臓器やリンパ節、他の臓器に転移することもあります。
主な症状
胃がんの初期には症状がほとんどないため、知らずに進行してしまうこともあります。ただし、以下のような変化があれば注意が必要です。
● 胃がん 初期症状
- 食欲がなくなる
- 胃の不快感、膨満感
- 胃の痛みやむかつき
- 体重減少
- 軽い貧血(疲れやすさ)
● 進行したときの症状
- 吐き気・嘔吐
- 吐血や黒い便(消化管出血)
- 激しい腹痛
- 明らかな体重減少
症状があっても「年齢のせいかな?」「ストレスかな?」と見過ごしてしまうことも。40歳を過ぎたら定期的に胃カメラ検査を受けることが大切です。
原因・リスク因子
■ 胃がん 原因の中心:ピロリ菌感染
胃がんの大きな原因とされているのが、**ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)**という細菌です。ピロリ菌が長年胃の粘膜に住みつくと、慢性的な炎症が起き、がんのリスクが高まります。
■ 主なリスク因子
- ピロリ菌感染(除菌していない人)
- 高塩分の食事(漬物・干物などの摂りすぎ)
- 加工食品や燻製食品の多用
- 喫煙
- 飲酒の習慣
- 遺伝的な体質
ピロリ菌は除菌治療が可能です。胃の検査で感染がわかったら、医師と相談して除菌を検討しましょう。
治療法(特徴と副作用)
胃がんの治療法は、がんの進行度(ステージ)や患者さんの体調、年齢などをもとに決定されます。
1. 内視鏡的治療(早期の場合)
内視鏡を使って、胃の内側のがんだけを切除する方法です。身体への負担が少なく、回復が早いのが特徴です。
- 【副作用】:出血、穿孔(胃に穴があく)、再発リスク
2. 外科手術(胃の部分切除・全摘出)
がんが進行している場合は、胃の一部または全部を手術で切除します。
- 【副作用】:食後の満腹感、体重減少、栄養吸収の低下、ダンピング症候群(血糖の急激な変動)
3. 化学療法(抗がん剤)
抗がん剤を使ってがん細胞の増殖を抑える方法で、手術の前後や再発予防、進行がんに対して行われます。
- 【副作用】:吐き気、脱毛、免疫力低下、疲労感
4. 放射線治療
胃がんではあまり多くはありませんが、局所的にがんを縮小したい場合などに使用されることがあります。
- 【副作用】:腹部の不快感、吐き気、倦怠感など
最近では分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬といった新しい治療法も出てきており、希望に応じた選択肢が増えています。
まとめ
胃がんは、早期発見すれば内視鏡で完治も期待できる病気です。そのためにも、ピロリ菌の除菌や胃の定期検診がとても大切です。
「なんとなく胃の調子が悪い」「家族に胃がんの人がいた」という方は、医療機関での検査をためらわないでください。