はじめに

甲状腺がんという言葉を聞いて、不安を感じる方も多いかもしれません。のどのあたりにある小さな臓器「甲状腺」にできるがんであり、早期に見つかれば治療による完治も十分に期待できる病気です。この記事では、「甲状腺がん 初期症状」「甲状腺がん 原因」「甲状腺がん 治療法」といったキーワードを中心に、一般の方にもわかりやすく解説していきます。

甲状腺がんとは?

甲状腺がんは、のどの前側にある甲状腺に発生するがんで、比較的ゆっくりと進行するタイプが多いのが特徴です。主に以下の4種類に分類されます。

  • 乳頭がん:最も多く、進行が遅い。リンパ節転移はあるが予後良好。
  • 濾胞(ろほう)がん:次に多いタイプ。血流を通じて他臓器へ転移することがある。
  • 髄様がん:ややまれだが、進行が速く、遺伝性の場合もある。
  • 未分化がん:非常にまれで進行が速く、治療が難しい。

女性に多く見られ、40代〜60代での発症が多いとされています。

主な症状

甲状腺がんは初期には無症状であることが多く、健康診断や他の病気の検査中に偶然見つかることもあります。ただし、次のような症状が現れることもあります。

  • 首のしこり(硬くて動かない)
  • のどの違和感や圧迫感
  • 声がかすれる(声帯神経への影響)
  • 飲み込みにくさ
  • 呼吸がしにくい

これらの「甲状腺がん 初期症状」が見られた場合は、専門医の受診をおすすめします。

原因・リスク因子

はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、以下のような要因がリスクを高めるとされています。

  • 放射線被ばく歴(小児期の放射線治療や原発事故など)
  • 遺伝的要因(特に髄様がんに関して)
  • 女性であること
  • 甲状腺の良性疾患の既往歴

ただし、これらのリスク因子があっても必ず発症するわけではありません。

治療法(特徴と副作用)

甲状腺がんの治療法は、がんの種類・進行度・年齢などによって異なりますが、主に以下の方法があります。

1. 手術療法

がんを含む甲状腺の一部または全体を切除する治療。リンパ節も同時に切除することがあります。

  • 副作用例:声のかすれ(声帯神経の損傷)、低カルシウム血症(副甲状腺の影響)

2. 放射性ヨウ素治療(アイソトープ治療)

甲状腺細胞がヨウ素を取り込む性質を利用して、放射性ヨウ素を投与し、がん細胞を破壊します。

  • 副作用例:口腔乾燥、味覚障害、一時的な白血球減少

3. ホルモン補充療法

甲状腺を全摘出した後には、甲状腺ホルモンを補うための薬(レボチロキシンなど)を服用します。

  • 副作用例:正しく使用すれば少ないが、過剰投与により動悸や不眠が生じることがある

4. 分子標的薬治療

進行がんや再発に対して用いられ、がん細胞の特定の働きを狙って作用します。

  • 副作用例:高血圧、皮膚障害、下痢など

まとめ

甲状腺がんは、早期に発見されることが多く、治療により予後も良好なケースが多いがんです。特に「甲状腺がん 初期症状」に気づき、早めに受診することが大切です。また、「甲状腺がん 原因」や「甲状腺がん 治療法」について正しい知識を持つことで、必要以上に不安を感じることなく、冷静に対応できます。

気になる症状がある方や家族の中で甲状腺疾患の方がいる場合は、ぜひ専門医にご相談ください。