はじめに
子宮頸がんは、20代〜40代の女性に増えているがんのひとつです。早期に発見すれば治癒率が高い一方で、進行するまで症状が出にくいため、定期的な検診がとても大切です。
この記事では、「子宮頸がんってなに?」「どんな症状があるの?」「どうしてなるの?」「治療はつらい?」など、初めて聞く方でも理解できるように、わかりやすく、丁寧に解説します。
子宮頸がんとは?
子宮頸がんとは、子宮の入口(頸部)にできるがんです。子宮の出口部分にある「子宮頸部」は、膣と子宮本体をつなぐ通り道のような場所です。
この部位の細胞が、**ヒトパピローマウイルス(HPV)**というウイルスの感染などによって異常を起こし、長年かけてがん化していきます。
子宮頸がんは若い女性にも増えており、予防や早期発見のためのワクチン接種や検診の重要性が注目されています。
主な症状
子宮頸がんの初期には自覚症状がほとんどありません。しかし、がんが進行すると以下のような症状が出ることがあります。
- 月経以外の不正出血
- 性交時の出血や痛み
- おりものの増加や異常(悪臭を伴うことも)
- 下腹部や腰の痛み
- 足のむくみや排尿障害(かなり進行した場合)
「なんだか変だな?」と感じたときは、早めに婦人科を受診しましょう。
原因・リスク因子
■最大の原因:ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染
子宮頸がんの主な原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスへの感染です。HPVは非常にありふれたウイルスで、性交渉によって多くの人が一度は感染すると言われています。
HPV感染そのものは自然に消えることもありますが、一部の型(ハイリスク型)が長期間持続すると、細胞が変化し、数年〜十数年かけてがんになることがあります。
■リスク因子
- 若年での性交経験開始
- 多数の性的パートナー
- 喫煙
- ピルの長期使用
- 免疫力の低下
- HPVワクチン未接種
HPVワクチンと定期検診の両方で、子宮頸がんの予防や早期発見が可能になります。
治療法(特徴と副作用)
子宮頸がんの治療は、がんの進行度や患者さんの希望(妊娠を望むかどうか)に応じて選択されます。
1. 円錐切除術(初期の場合)
子宮頸部の一部を円すい状に切り取る手術です。子宮を温存できるため、将来的な妊娠を希望する方に選ばれることがあります。
- 【副作用】:出血、感染、早産のリスクがわずかに増えることがあります。
2. 子宮全摘出術
子宮を全体的に切除する手術です。がんの広がり具合によって、周囲の組織も一緒に取り除くことがあります。
- 【副作用】:術後の痛み、排尿障害、ホルモンバランスの変化など。
3. 放射線治療
高エネルギーの放射線をがんに当てて破壊する治療法です。手術と併用されることもあります。
- 【副作用】:倦怠感、皮膚の炎症、下痢、排尿障害など。
4. 化学療法(抗がん剤)
薬でがん細胞の増殖を抑える方法です。進行がんや再発時に行われることが多いです。
- 【副作用】:吐き気、脱毛、免疫力低下、貧血など。
治療は不安が大きいかもしれませんが、最近では副作用を軽減する薬や支援体制も整ってきています。
まとめ
子宮頸がんは、原因が明確で予防可能ながんのひとつです。HPVワクチン接種や定期的な子宮頸がん検診によって、早期発見・早期治療が可能になります。
もし不正出血やおりものの異常に気づいたら、迷わず婦人科を受診してください。治療の選択肢も増えており、自分らしい人生を歩むためのサポート体制も広がっています。