がんに関する誤解は多く存在し、誤った情報が患者さんや家族の不安を必要以上に大きくしてしまうことがあります。ネット上に情報が溢れていることで、却って誤った情報が拡散してしまうようにも感じています。先日は医薬品開発に関わっている方からも、細胞を採る検査によりがんの転移リスクを高める可能性がある、とのお話があったのですが、それは誤った情報です。

以下は代表的な誤解とその真実です。


誤解真実
1. がん=死の宣告医療の進歩により、がんは「治る病気」「共に生きる病気」に変わりつつあります。早期発見なら治癒も可能です。
2. 抗がん剤はすべて副作用が強く、苦しいだけ現代では副作用を軽減する薬や方法が整備されており、多くの方が治療を続けながら生活しています。
3. がんはストレスが原因で起こるストレスそのものが直接的にがんを引き起こす証拠はありません。ただし生活習慣への影響はあります。
4. がんは遺伝する病気遺伝性がんは全体の5〜10%程度で、大多数は生活習慣や環境などが関係しています。
5. 手術でがんに空気が触れると進行する医学的根拠はありません。むしろ、手術で取り除くことが最も効果的な治療の一つです。
6. 民間療法だけでがんは治せる科学的根拠のない治療では命に関わる危険も。標準治療と併用する場合も医師に相談が必要です。
7. 食事療法だけでがんが治る食事は体力維持や治療の補助には重要ですが、単独で治すものではありません。
8. がんにかかったらすぐ仕事を辞めるべき状況によりますが、治療と仕事の両立が可能なケースも増えています。職場との相談がカギです。
9. がん検診は100%見つかるものではないから意味がない完璧ではありませんが、がん検診は早期発見の有力な手段です。受けることで命が助かるケースも多いです。
10. 若い人はがんにならない若年層でもがんは発症します。特に子宮頸がん、乳がん、白血病などは注意が必要です。